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パブコメ:原子力災害対策特別措置法施行令の一部改正(案)に対する意見

本日24時〆切の以下の法改正案に意見を送付した。

原子力災害対策特別措置法施行令の一部改正(案)に対する意見募集について

緊急防護措置準備区域をたったの30キロメートルに限ることに対する反対意見。まともに安全対策しようとしたらコスト的に破綻することを福島第一原発事故は証明した。原子力発電に依存する日本社会はもはや不可能なことが明白なのである。


2011年3月の福島第一原発事故に伴い放出・拡散した放射線物質の沈着量は詳しい測定がなされている。この汚染は、200キロメートル離れた柏市においても0.5毎時マイクロシーベルトを超えるホットスポットを形成していることがわかっている。福島第一原発との比較として頻繁に例にあげられるチェルノブイリ事故に比較すると汚染は狭い範囲であること、少ない陸地への総沈着量であることがわかっているが、天候の状況よってはより深刻な汚染になる可能性が大いにあったことは注目されるべきである。

事故後、福島原発周辺においてたまたま西風が吹く時間が長かった。このため、放出された放射線物質の多くは海側へと吹き飛ばされ陸に沈着したものは総放出量の一部であるに過ぎない。もし継続的に内陸に向かって風が吹き、さらに雨の多い季節であったならば、事故はより広大かつ高濃度の汚染を結果したであろう。目下の汚染分布はまったくのお天気まかせの結果にすぎない。人知によって防御したのではない。次回もし事故が起きたときに、福島と同じように海にむけて風が吹いてくれるとは限らない。

以上のことを鑑みれば、2011年の事故においてたとえば上に例にあげた柏市が、もはや居住できないレベルに汚染された可能性も否定出来ない。すなわち、少なくとも200キロメートル圏内はなんらかの対策を用意しておく必要があるのである。したがって、緊急防護措置準備区域を30キロメートルに限る措置は全くの不十分な安全対策である。少なくとも200キロメートル圏内とすべきである。